★センチネルリンパ節生検は腋窩のリンパ節郭清が必要かどうかを判断するために行います

乳癌は、浸潤がんの3分の1はわきの下のリンパ節(腋窩リンパ節)に転移があるとされています。リンパ節に転移があると考えられるときには、手術のときにリンパ節郭清が行われます。

リンパ節郭清とは、リンパ節を周囲の脂肪組織と一緒にひとまとめにして取り除くことです。

腋窩リンパ節を郭清するとリンパ液の流れが悪くなり、腕があがらなくなるなど、日常生活に支障をきたすことがあります。

リンパ節に転移がなければ切除しない方がいいと思われます。しかし、切除して検査してみないとリンパ節への転移の有無が分かりません。そのために考えられたのがセンチネルリンパ節生検です。

センチネルリンパ節とは、乳癌のがん細胞が一番最初に流れ着くとされるリンパ節です。

「センチネル」は 「見張り」という意味です。センチネルリンパ節生検は、そのセンチネルリンパ節を切除し転移の有無を調べる検査です。

そこに転移がなければ、その先のリンパ節にも転移がないと考えられます。  そして腋窩リンパ節郭清を省くことができます。手術と同時に行われることがほとんどです。

★センチネルリンパ節生検が適応されないケースとは?

🔘触診、画像検査、細胞診でリンパ節への転移があると診断される、またはその疑いが強い

🔘しこりが大きいため、リンパ節への転移の疑いがある

🔘術前薬物療法を受けていたりして、センチネルリンパ節を見つけるのが難しい場合

🔘本人が同意していない場合

★私の場合、術前に8㎝の腫瘍であったがリンパ節転移がないだろうと言われていた。手術時にセンチネルリンパ節生検を行いリンパ節への転移がないことが診断された。

しかし腫瘍の大きさが8㎝という大きさだったので念のために腋窩のリンパ節を1箇所だけ切除された。あくまでも予防のためだった。リンパ節郭清が最小限ですんだおかげか今現在まで腕のリンパ浮腫も全くない。腕のあがりも8~9割程度はあがり特に生活に支障をきたすことはない。

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